「インデックス・ファンドを購入したいけど細かく注意すべきところはある?」
「トラッキングエラーって聞いたけど、これってなに??」
インデックスファンドについて調べていると「トラッキングエラー」という用語を聞いたことがあるかもしれません。
これは、その商品がどれだけ優れているかを確認する評価項目の1つになります。
少し細かい視点になりますが、インデックスファンドの評価として利用される「トラッキングエラー」について簡単にまとめてみます。
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トラッキングエラーとは?インデックスファンドの評価項目
投資信託のインデックスファンドを購入するときは、まずは連動するベンチマークを確認することになります。
投資信託が運用の指標としている基準(指数)
TOPIXや日経平均株価、S&P500などがこのベンチマークにあたります。
インデックスファンドはこのベンチマークに連動した運用を目指すため、アクティブファンドと違い、市場の成長に合わせて資産の増加が狙えるわけです。
しかし、インデックスファンドは完全にベンチマークと一致するというわけではありません。
インデックスファンドは、あくまで投資信託という商品ですので、「売買コスト」や「配当再投資のコスト」や「運用会社の手数料」がかかってきます。
そのため、どうしてもベンチマークとインデックスファンドの成績に乖離がでてきてしまいます。
この乖離のことをトラッキングエラーといいます。
以下の図のようなイメージですね。
このようなトラッキングエラーが大きいと、TOPIXというベンチマークでは5%ものリターンが得られているのに、実際に自分が購入したインデックスファンドでは4%のリターンしかないということになってしまいます。
そのため、インデックスファンドのトラッキングエラーは小さければ小さいほどいいといわれています。
トラッキングエラーの確認方法
同じベンチマークに連動するインデックスファンドであれば、この「トラッキングエラー」は小さいほどいいです。
実際の確認方法ですが、トラッキングエラーの過去の実績値は目論見書では掲載されていません。
しかし、一部の証券会社ではページ上でしっかり確認することができます。
今回は楽天証券で確認してみます。
実際のインデックスファンドである「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」で確認してみます。
楽天証券ではこのような画面が表示されます。(2020年2月21日)
この画面を下にスクロールしていくと、以下のようなデータが表示されます。
そこに赤枠にあるように、トラッキングエラー(TE)が表示されているので確認できると思います。
これがトラッキングエラーの確認方法です。
商品の目論見書には記載なくても、証券会社によってはしっかりと過去のデータから表示してくれています。
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同じベンチマークのインデックスファンドでトラッキングエラーを比較
同じベンチマークの連動を目指していても、インデックスファンドの商品によってこのトラッキングエラーの値には違いがあります。
例えば、先ほどの例のように国内株式(TOPIX)に連動したインデックスファンドで比較してみます。
比較するインデックスファンドは以下の2つです。
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
先ほどのように楽天証券で調査して比較した結果が以下になります。(調査日2020年2月21日)
トラッキングエラー(6ヶ月) | トラッキングエラー(1年) | |
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | 1.96 | 1.65 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | 1.95 | 1.69 |
このようにトラッキングエラーを確認すると商品によって違いがあります。
今回調査した投資信託はどちらも優良な商品で、トラッキングエラーは小さく、2つで比較してもほとんど違いがないことがわかります。
トラッキングエラーは小さいほどいいのですが、トラッキングエラーだけで比較せず、コストに関わる「購入手数料」「信託報酬」や、「純資産総額」や「設定日」など、様々な要素を比較して商品選びをします。
同じベンチマークであれば、「信託報酬」や「純資産総額」が最も注意すべき項目とされていますが、さらに詳しく評価するためにも「トラッキングエラー」を確認して比較してみてもいいかもしれません。
まとめ
インデックスファンドはベンチマークと乖離することがあり、その乖離をトラッキングエラーといいます。
今回はトラッキングエラーの確認方法について具体的商品で提示しました。
インデックスファンドを評価する際に、少しでも参考にしていただけたら幸いです。