「株式市場の暴落にあうと投資が怖くなる」
「市場が気になって仕方ない」
2020年3月13日現在、NYダウが1987年のブラックマンデー以来の下落率を記録し、明らかに世界同時株安の状況になっています。
そんな市場が悲観的なときに、株価が気になって仕方ない方は「自分のリスク許容度」を見直すいい機会かもしれません。
資産運用を続ける限り、暴落は必ず起きることで、しっかりそなえていないといけません。
しかし、ここ10年の強気相場しか経験していないと実際に株価の暴落が起きた時の「心情」はわかりにくいですよね。
今回、連日ニュースを賑わせている株価暴落により精神的に不安定になっている方もいるかもしれませんので、「リスク許容度」についておさらいしてみたいと思います。
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目次
リスク許容度を理解することは、資産運用で最も重要なコト
資産運用はただただリスクがあり、リターンが得られる商品を購入すれば言い訳ではありません。
まずは「自分のリスク許容度」を理解して、資産運用に取り組む必要があります。
投資家の許容できるリスクの範囲
資産運用で発生する損失を1年間でどの程度受け入れられるかの度合いをいいます
〇〇%、〇〇万円などと率や額で表すことが多いです
「リスク許容度を理解する」、つまり最悪の事態をこれまでの歴史から学び、それに自分が耐えて資産運用を続けられるかどうかを考える必要があります。
インデックス投資での資産運用は「ポートフォリオ理論」を中心としてリターンを考えることが花形です。
やっぱり増えていくことを想像するのは楽しいですからね。
しかし、様々な資産運用の書籍でもこの「リスク許容度の理解」の重要性が説明されています。
長期投資を続けていると、自分の資産が50%程度減ってしまうことも起こり得ます。
リーマンショックも経験し、インデックス個人投資家で有名な水瀬氏も書籍で以下のように語っています。
私は、インデックス投資においていちばん大切なことは、「自分のリスク許容度を知ること」だと思っています。
(中略)自分のリスク許容度を把握し、最大損失がその範囲に収まるような運用をすれば、あとはゆっくり寝かせておくことができます。
より引用
このようにリスク許容度が重要なのですが、最も書籍などで学びにくい点としては、リスク許容度は個人によって全く違うからになります。
インデックス投資家のバイブル書でもある「ウォール街のランダム・ウォーカー」でも・・・
投資家の原則を個々の投資家向けに応用する際に、一番重要な問題は投資家個々人のリスク選好である。最適な資産運用計画を立てることは、科学というよりは芸術の領域に属すると言われるのはこのためだ。一般的なガイドラインとして、個人の投資資金を各種資産にどのくらいの割合で配分すべきかを示すことは可能である。しかし、それが本当にあなた自身にとって最適な資産構成になっているかどうかは、あなたがそれで夜ぐっすり眠れるかどうかにかかっている。
より引用
このように、「リスク許容度」の重要性を述べながら、個人によって違うと強調されています。
私がこの本で学んで感じていることとしては、リーマンショックだろうと、2020年3月13日現在に起きている株価の暴落がおきようと、「夜ぐっすり眠れるかどうか」は主観的ですがとても重要なことであると思います。
資産運用はリスク資産である「株式」の割合、安全資産である「現金」や「債券」の割合を組み合わせる「ポートフォリオ」を考えて、それにしたがって良品を購入、運用していくことが中心になります。
リスク許容度を理解しないと、リスクをとりすぎて、「ぐっすり眠れない」相場がきてしまうかもしれません。
つまり、今の暴落時に「ぐっすり眠れない」ようであれば、リスク許容度を超えていると思います。
実際暴落が起きている今だからこそ「自分のリスク許容度」を実感できますね。
自分のリスク許容度を考える
リスク許容度のガイドラインは存在しません。
しかし、一般的にはリスク許容度は以下のような事に左右されると言われますので、大まかに考えてみます。
年齢
仕事内容、収入、副収入
家族構成
ライフプラン
生活防衛資金の金額
生活防衛資金以外の現金保有額
性格
これだけではないと思いますが、一般的な事項について考えます。
年齢
年齢は言うまでもありませんよね。
厳密に言うと、年齢というよりは「労働できる余地」や「資金が必要になる期間」かもしれません。
例えば老後資金を貯めるための資産運用では、老後まで20年、30年と長期間あるようであれば、今大暴落が起きても全く気にしない、むしろ「ドルコスト平均法」を考えるとうれしいくらいです。
そのため、ポートフォリオを考えるときに若者にはリスク資産である株式100%を勧めている書籍もあります。
仮に暴落がきても株式相場が回復するまでじっくり待っていられる、寝かせて運用できるわけです。
仕事内容、収入、副収入
仕事や収入も大きな要因ですね。
収入が多ければ、普段の生活費に困ることはないでしょうし(生活の仕方ですが)、資産の暴落も乗り切りやすいですね。
また、今回のコロナウイルスで影響出ている観光業やサービス業を考えると、経済に影響される仕事かどうかでも変わってきますね。
もちろん、正規職員か非常勤、自営業などによっても変わってきます。
いくら普段の給料がよくても、非常時に減俸になったり、最悪の事態ではリストラもあり得ますから、普段の収入で安心できるとも限りません。
また、会社に依存した収入以外にも、副業などで自分で収入を得る手段がある方はリスク許容度は高いと言われます。
家族構成
家族構成も大きな要因です。
自分以外に夫や妻が収入がよければ(安定している)、リスク許容度は高いです。
逆に養わないといけない家族がいる場合はリスク許容度は低くなりますね。
特に子供が生まれると大きなリスクはとりにくくなります。
このように、自分の家族構成のことを考えないといけません。
ライフプラン
同じくライフプランも重要です。
今は子供がいなくても近々予定している場合はまとまった費用がかかりますし、産後に収入が減るかもしれません。
また、子供の大学入学や、自分の転職、脱サラ予定などなど、ライフプランによってはリスク許容度は低くなってきます。
住宅の購入も大きな計画です。
ライフプランに関しては、家族構成だけでなく、考え方や仕事内容にも左右されますので、ご自分でより考える必要があります。
生活防衛資金の金額
いざという時の生活費をまかなえる「生活防衛資金」がしっかりあるかどうかも重要です。
生活防衛資金が少なすぎ、不足の事態で投資信託などを売却しないといけない事態になるような管理では、リスク許容度は低いといえます。
投資を始める前に考える、貯めるべき資金がこの「生活防衛資金」になります。
生活防衛資金以外の現金保有額
「生活防衛資金」は基本的には不足の事態以外は手を付けるものでもありません。
それ以外にしっかり現金をもっていることはどのような状態にも耐えられます。
それだけ現金は流動性もある安全資産ということですね。
現金をしっかり余分に保有していると、今回のような相場では、むしろ買い増しをすることもできます。
それだけ余力があれば、リスク許容度は高いともいえます。
性格
それに性格も影響してきます。
手持ちの100万円が50万円に一時的に減っても耐えられる人もいれば、少し減っただけでも耐えられない人もいるかもしれません。
このように少しのことでうろたえて、余計な行動をとってしまう方は長期投資に向いてなく、リスク許容度も低いといえます。
女性のほうが、長期投資はコツコツできて成果がでやすいとも言われているそうです。(男性はすぐに動きたくならからだそうです)
「人は理屈だけでは動かない」、自分がどのような性格かも考えて、リスク許容度を考えるといいと思います。
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まとめ
暴落時こそ、自分のリスク許容度を見直すいい機会です。
株価の下落でストレスで眠れないようであれば、間違いなくリスク許容度を超えた投資をしてしまっていると思います。
強気相場ではわかりにくいですが、今回のような弱気相場では実感が湧いたと思います。
自分のリスク許容度を把握して、適切な行動と長期的な視点で資産運用を行うために参考にしていただければ幸いです。