(2020年2月10日最終更新)
「国内(日本)株式は投資対象とすべき?」
「いろいろ投資信託はあるけどどれにすればいいの?」
今回はこんな疑問に対して参考になるようにまとめてみました。
バブル時代の株価を越えることができず、今後超少子高齢化を迎える日本の将来を悲観的にとらえている方もいると思います。
「日本株式」を投資対象にすべきかどうかは専門家でも意見がわかれるところです。
しかし日本株式のメリットもありますし、優良ファンドもでてきていますのでご紹介していきたいと思います。
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目次
国内株式インデックスファンドには投資すべき?
投資戦略として長期運用を心がけている場合、価格変動があったとしても長期的に右肩上がりの成長を期待して商品を購入していきます。
日本の株価推移はどうなっているのでしょう?
https://nikkeiyosoku.com/chart/より引用(2020/02/10)
このグラフを参考にさせてもらうと、1991年のバブル崩壊後に一気に値を下げてから、2020年の現在に到るまで株価は回復していません。
日本のバブルが異常であったとの見方はできますが、それにしてもその後の株価指数の変動も大きく、順調に右肩上がりとはいえませんよね。
参考までに米国の株価指数(S&P500)の値動きを以下に示します。
あのリーマンショック(2008年)ですら霞んでしまうほど、右肩上がりの成長をみせているのがわかると思います。
日本のこれからの成長を期待しようと思っても主に以下の理由で成長を懸念される声が多いです。
今後さらに人口が減少して、労働力も消費者も減少していく(それもで人口は世界的には多い)
超少子高齢化を迎え、積極的な消費をしてくれる若者の割合が少ない
企業のグローバル化としては日本は出遅れていて、世界的企業の座を米国や中国に明け渡している
このような不安材料を考えると、国内株式に投資する必要はなさそうな気がします。
しかし、国内に住んでいるからこそ感じる悲観的な面だけでなく世界全体のデータからみると、日本株式は米国に続き世界第2位と巨大な影響力があることは間違いありません。
以下のグラフは、世界の株価指数に連動しているインデックスファンド「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」の国・地域別構成比率です。(見えにくい場合は図をクリックしてください)
https://emaxis.jp/pdf/koumokuromi/253425/253425_20200125.pdfより引用
日本の割合は全世界の7.3%となり、米国に続き2番目ですね。(米国の強大さがよりわかりますが)
そういった意味では、「分散投資」を行うのであれば日本の株式も考えたほうがいいような気がします。
それに、「日本人である私たち」が国内株式を保有するメリットもあります。
①国内に住んでいるため情報が得られやすく、すぐに行動に移せる
②為替リスクがない
自分の国の情報は最も入りやすいです。インターネットで世界中の情報と繋がっているとしても、身近で感じる実感はとても重要です。
しかし、いくら情報を把握していても、自分の資産割合をその都度考えるのは難しいですよね・・・
そのため、私は②の為替リスクのほうが重要だと思います。
日本で生活している限り、日本円が中心の生活になってきます。
当たり前のようですが、資産を考えるときには「為替」を考えないといけません。
例えば米国に投資していてドルで資産が増えていたとしても、日本円に交換したいときに「円高」になっていると、せっかく増えた資産の価値が為替の影響で半減してしまう現象が生じるわけです。
円と外貨の為替レートの変動により、外貨建ての資産価値が減ってしまうリスク
このような為替リスクの影響を受けずに資産を形成させることができるのが、国内株式を保有するメリットの1つでもあります。
それでも私としては、成長が期待しにくい「国内株式」のみの資産運用はメリットが少ないと思います。
やはり巷で言われているように「先進国株式」「新興国株式」と組み合わせて保有していく必要があると思います。
例えば、全世界株式と同様のポートフォリオを目指して自分で商品を選ぶ場合、「先進国株式インデックスファンド(日本が除かれています)」と「新興国株式インデックスファンド」に加えて「国内株式インデックスファンド」を保有することで、「分散投資」を実践することができます。(以下のようなポートフォリオですね)*見えにくい場合は図をクリックしてください
このように1点集中ではないとしても、「国内株式インデックスファンド」を保有したい方は多いと思います。
国内株式インデックスファンドといっても「日経平均株価指数」「TOPIX」など違うインデックスをベンチマークとした商品があります。
それでは、どの「インデックス」をベンチマークにした商品がいいのでしょうか?
日経平均?TOPIX?国内株式インデックスはどのベンチマークがいい?
「今日の日経平均株価の値動きは・・・」
など、ニュースをみているとよく耳にすると思います。
これが日本の株式のインデックスになります。
しかし、よく聞いているとそのあとに「TOPIXは・・・」と別のインデックスの情報も聞かれます。
この2つとも日本株式のインデックス指数なのですが、何が違うかまとめてみました。
東証1部の上場企業の中から、日本経済新聞社が選んだ225社の株式価格を平均した指数
*「株価の平均値」であるため、株価の高い銘柄(値がさ株)の動きに大きく影響される
*東証1部の上場企業は2,160社(2019年末時点)なので、225/2,160社を反映
東証市場1部に上場する国内株式全銘柄を対象とした株価指数
*「時価総額」であるため、時価総額の大きな銘柄(大型株)の動きに大きく影響される
*東証1部の上場企業全銘柄であるため、2,160社(2019年末時点)を反映
このように主な国内株式のインデックス指数には2種類あります。
では、どちらに連動した投資信託がいいのでしょうか?
「TOPIX」のほうが「日経平均株価」より10倍近くの企業を反映しているため、分散投資は行ってくれます。
また、「日経平均株価」は日本経済新聞社が選んでいるため、指数を1社にまかせているリスクもあります。
日経平均株価に連動するインデックスファンドは、指数が1つの会社(日本経済新聞社)によって管理されているため、銘柄入れかえなどで、どうしても管理会社の恣意性が介在してしまいます。
トピックスの方が「市場そのもの」という概念により近いといえるでしょう。
より引用
このようなことから、専門家も「分散投資」でリスクを低下させるためには「TOPIX」に連動したインデックスファンドを勧めています。
今回はこの「TOPIX」に連動している優良な「国内株式インデックスファンド」を3つご紹介したいと思います。
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
詳細をまとめてみます。
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eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)
1つめは、「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」で、大人気のeMAXIS Slimシリーズの「国内株式」商品です。
eMAXIS Slimシリーズが人気の大きな理由に、業界最低水準の運用コストを目指し、信託報酬の引き下げを何度も行ってくれます。(ライバルに追従し、追い越すような感じですね)
<基本情報>
ファンド名 | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) |
設定日 | 2017/02/27 |
資産クラス | 日本株式 |
対象インデックス | TOPIX |
購入手数料 | 0%(ノーロード) |
信託報酬 | 0.154% |
純資産総額 | 140.93億円(2020/02/11) |
主な販売会社 | 楽天証券、SBI証券 |
<組入上位銘柄>*見えにくい場合は図をクリックしてください。
https://emaxis.jp/pdf/koumokuromi/252634/252634_20200125.pdfより引用
<純資産総額推移>*見えにくい場合は図をクリックしてください。
https://emaxis.jp/fund/252634.htmlより引用(2020/02/11)
信託報酬は0.154%と国内株式インデックスファンドでは最安値ですね。
純資産総額も140億円以上と高額になってきて、順調に増えていますので安定感もでてきました。
・TOPIXに連動した国内分散投資が実践できる
・純資産総額も順調に増加し高額となり、信託報酬は国内株式インデックスファンドで最安値
・eMAXIS Slimシリーズは信託報酬の値下げ実績が豊富であり、今後も値下げする可能性がある(期待値が高い)
国内株式のインデックスファンドでは人気の商品になります。
さすがeMAXIS Slimシリーズですね。
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
こちらも人気のNISSAYのインデックスファンドになります。
eMAXIS Slimシリーズのライバルとして信託報酬を競い合ってくれていますね。
<基本情報>
ファンド名 | <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド |
設定日 | 2015/04/27 |
資産クラス | 日本株式 |
対象インデックス | TOPIX |
購入手数料 | 0%(ノーロード) |
信託報酬 | 0.154% |
純資産総額 | 275.01億円(2020/02/07) |
主な販売会社 | 楽天証券、SBI証券 |
<組入上位銘柄>*見えにくい場合は図をクリックしてください。
http://doc.wam.abic.co.jp/ap02rs/contents/pdf/29312154_m.pdfより引用
<純資産総額推移>*見えにくい場合は図をクリックしてください。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C000BRT6より引用(2020/02/11)
信託報酬は0.154%と国内株式インデックスファンドでは最安値ですね。
純資産総額も275億円以上とeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)より高額で、順調に増えていますので安定感もあります。
・TOPIXに連動した国内分散投資が実践できる
・信託報酬は国内株式インデックスファンドで最安値
・純資産総額はeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)より高額
こちらも国内株式のインデックスファンドでは人気の商品になります。
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)より設定日が古く、純資産総額が高額なのが魅力ですね。
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三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
3つ目は、これまでの2つと若干雰囲気が違う商品になります。
設定日がダントツ古くて昔から人気の商品ですね。
<基本情報>
ファンド名 | 三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド |
設定日 | 2011/12/09 |
資産クラス | 日本株式 |
対象インデックス | TOPIX |
購入手数料 | 0%(ノーロード) |
信託報酬 | 0.176% |
純資産総額 | 328.05億円(2020/02/11) |
主な販売会社 | 楽天証券、SBI証券 |
<組入上位銘柄>*見えにくい場合は図をクリックしてください。
<純資産総額推移>*見えにくい場合は図をクリックしてください。
https://www.smam-jp.com/fund/report/1217857_1563.html#js-anchorより引用(2020/02/11)
信託報酬は0.176%とこれまでの2つの商品には遅れをおっています。
設定日が2011年と古く、純資産総額が328億円以上と最も高額です、
・TOPIXに連動した国内分散投資が実践できる
・信託報酬は国内株式インデックスファンドで低コストを実現(最安値ではない)
・設定日が古く純資産総額は最も高額
2017年まではコストが最安値で、最もオススメする商品でしたが、2020年時点ではこれまでの2つのほうがメリットが大きいかもしれません。
それでも歴史があり、純資産総額も最も高額ですので、おすすめファンドとして並べています。
比較すると・・・
<基本情報>
ファンド名 | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | 三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド |
設定日 | 2017/02/27 | 2015/04/27 | 2011/12/09 |
資産クラス | 日本株式 | 日本株式 | 日本株式 |
対象インデックス | TOPIX | TOPIX | TOPIX |
購入手数料 | 0%(ノーロード) | 0%(ノーロード) | 0%(ノーロード) |
信託報酬 | 0.154% | 0.154% | 0.176% |
純資産総額 | 140.93億円(2020/02/11) | 275.01億円(2020/02/11) | 328.05億円(2020/02/11) |
主な販売会社 | 楽天証券、SBI証券 | 楽天証券、SBI証券 | 楽天証券、SBI証券 |
国内株式だけではありませんが、ライバル会社がいると日々低コストに向けて努力をしてくれます。
数年前は「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」が最もおすすめでしたが、2020年時点でこれから始める場合は、「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」か「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」が低コストでおすすめになりますね。
より良い商品がでてくることは投資家としてありがたいですね。
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まとめ
今回は国内株式インデックスファンドのおすすめ商品を3つご紹介しました。
国内株式インデックスであれば「TOPIX」が最も分散投資ができるため、おすすめしています。
今後の日本を考えると、日本株式一本はおすすめしませんが、自分のポートフォリオに組み入れるのであれば、低コストで優良な商品がそろっていますので検討してみてください。
少しでも投資信託選びの参考になれば幸いです。