PICOとPECO??:臨床研究疑問の構造化

PICO(ピコ)やPECO(ペコ)って知っていますか?

・・・私は臨床研究を勉強するまで知りませんでした。

・・・「ピコ」「ペコ」と読むことすらわかっていませんでした。

 

臨床研究について調べると、臨床的疑問を「PICOやPECOで設定しましょう」と簡単に書いています。

初心者には「??」でしかありませんでした。

 

研究者は当たり前に設定している疑問の構造化なのですが、臨床しかしていない方や研究初心者にはすでにこの時点でつまずいてしまします。

そして研究を理解するのがイヤになります・・・

 

今回はこんな「PICO」や「PECO」について簡単にまとめました。

これがわかると研究を始められるだけでなく、日々の臨床や論文を読む時にも十分役立つので参考にしてみてください。

スポンサードサーチ

臨床的疑問を構造化

臨床研究を行う際や、ガイドラインを作成するには臨床的疑問である「クリニカルクエスチョン」を設定する必要があります。

さらに、研究を行うにあたり、研究的疑問として「リサーチクエスチョン」へと進んでいきます。

このときに闇雲に疑問を設定しても、これまでの先行研究を網羅的に調べることもできませんし、自分で研究を行うこともできません。

 

クリニカルクエスチョンやリサーチクエスチョンに関しては以下のサイトを参考にして下さい。

クリニカルクエスチョン(CQ)とリサーチクエスチョン(RQ)

 

どのように疑問を設定する必要があるかというと・・

疑問を定式化して構造化する必要があります。

この疑問の構造化する方法が「PICO」「PECO」になります。

PICOとPECOの違い

PICOとPECOは以下のようにそれぞれ頭文字を並べただけで、2つの違いはIとEが違うだけです。

PICOとPECO

Patients(患者)またはParticipants (参加者)

Intervention(介入)

Exposure(曝露)

Comparison(比較・対照)

Outcome(結果・帰結)

 

ピコ(PICO)、ペコ(PECO)と呼ばれます。

PICOにするか、PECO にするかは、その研究によりふさわしいほうを選択すればどちらでも問題ありません

PICOはリサーチクエスチョンを介入研究として、PECOは観察研究として構造化することになります。

 

「Pに対して、I を実施すると、Cを実施するのに比べて、Oがどうなる」

「Pのなかで、Eのひとは、Cのひとに比べて、Oがどうなる」

 

といったように、疑問を構造化することが「PICO」と「PECO」を設定することになります。

スポンサードサーチ

実例:より具体的に設定する

リサーチクエスチョンの種類とPI(E)COの例をあげてみます。

*表が見にくい場合はクリックして拡大してください

 

リサーチクエスチョンの種類を無理に①〜④に当てはめる必要はありませんが、自分が構造化したい疑問に応じてPICOなのか、PECOになるのか判断する必要があります。

 

<具体性の重要性>

まずは臨床的疑問をみつけるのが重要です。

例えば「心不全患者でもLVEF(左室駆出率)が低い患者は体力がなさそう」という素朴な疑問から考えてみます。

このまま漠然とした疑問では研究に落とし込めませんし、論文検索も十分に行えません。

ですので、まずは構造化するためにPECOにします。(先ほどのリサーチクエスチョンの種類②になります)

P:慢性心不全患者

E:LVEFが低い

C:LVEFが正常

O:運動耐用能が低い

まずはこのような形でPECOを設定できることが重要です。

(慣れないとこれだけでも大変ですよね)

 

しかし、このPECOでは研究を始められません。

「具体性」がなさすぎるので、調べたり調査ができません。

ですので、次のようにPECOに具体性をもたせていきます。

P:A病院に〇〇年〇月〜〇〇年〇月に入院した慢性心不全患者患者と診断された20歳以上の患者

E:LVEF<40%

C:LVEF≧40%

O:6分間歩行距離

ここで、1つめのPECOと2つめのPECOを比べてみます。

「具体性」が変わったのはすぐにわかると思います。

例えば、1つめのPでは「慢性心不全」と漠然としていましたが、2つめのPでは、どこの病院で、入院なのか外来なのか、期間はいつなのか、対象年齢はどうしたのか、より具体的に絞り込めるようになっています。

EやCでもLVEFが低いの定義が曖昧であったのを、数値化して定義付けしましたし、Oの運動耐用能も様々な評価があるなか、「6分間歩行試験」と具体的に設定しています。

 

このように、臨床的疑問を漠然としていたものから、PI(E)COに構造化して、より具体的にしていくことで研究へと進むことができます。

まとめ

  • 臨床的疑問は「PICO」や「PECO」にして構造化する必要があります。
  • PICOはリサーチクエスチョンを介入研究として、PECOは観察研究として構造化しています。
  • PI(E)COを設定しても、研究を始めるにはより具体的にしていく必要があります。

 

PI(E)COは研究を始めるには必須の知識ですが、研究をしていなくても論文をまとめるときや日々の疑問を構造化できることはとても役に立ちます。

研究を始めようと思って、PICOやPECOのような最初の段階で立ち止まってしまってはもったいないです。

少しでも参考になれば幸いです。