「米国高配当ETFのどれを購入すればいいか迷っている」
「最近SPYDをよく聞くけど魅力ってなに?」
米国高配当ETFに興味を持っていても購入するETFは迷ってしまいますよね。
米国高配当ETFはインデックス投資とは別にたいへん魅力的な投資方法です。
米国高配当ETFのメリットとは?超おすすめの優良ETF3選!
上記の記事でもおすすめしているETFに「SPYD」があります。
米国高配当ETFには「VYM」や「HDV」という超人気ETFがありますが、「SPYD」は最近特に人気が高くなっているETFになります。
超巨大運用会社ステート・ストリート社のSPYDについて詳しく解説していきたいと思います。
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目次
SPYDとは
SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)はステート・ストリート社のETFの名称で、米国株式と米国REITで構成されています。
運用会社も「バンガード」「ブラックロック」に並ぶ超強力なステート・ストリート社であり、高配当ETF投資家では知らない人がいない人気ETFになります。
基本情報を以下に示します。
運用機関 | ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社 |
インデックス | S&P500高配当指数 |
組み入れ銘柄数 | 79銘柄(均等割合投資) |
信託報酬 | 0.07% |
配当利回り | 4.37% |
純資産総額 | 15.3億ドル |
設定日 | 2015年11月9日 |
SPYDは、S&P500のなかの高配当利回り79銘柄に均等分布(約1.25%ずつ)したETFで、以下の特徴があります。
株式だけでなくREIT(リート)も含んでいる
時価総額加重平均型ではなく、79銘柄を均等に保有(1銘柄に1.25%程度)している。
詳しく解説していきます。
SPYDが人気の理由
最も高配当な米国高配当ETF
SPYDの魅力はなんといっても、他の高配当ETFよりも配当が高いことですね。
VYMもHDVも配当利回りは3%台ですが、SPYDは米国株が好調であったにも関わらず、4%を超えた配当を実績しています。
2018年末に米国株が大きく下がったときは、5%近い配当利回り(2019年)を示していました。
つまり、インカムゲイン目的としてはとても魅力的なETFになっているわけです。
高配当利回りになる原因の1つとして、79銘柄に約1.25%の均等比率で構成されている特徴が影響しています。
この比率になるように、年に2回(1月と7月)リバランスをしているわけですが、このリバランスで株価の上がった銘柄が売られ、株価が下がった銘柄が多く買われる状態になります。そのため、成熟した高配当な少し不人気銘柄に多く投資する(老舗企業のようなもの)ことになります。
今の不人気セクターは、不動産(REIT)や公共事業であり、これらは配当金が高いので、SPYD全体の配当利回りも高くなってくるわけです。
不動産投資が行える
SPYDはREITを含む不動産の比率が17〜18%と高く、VYMやHDVにはない特徴になっています。
高配当ETFだけでなく、S&P500に連動するETFやインデックスファンド、VTなどの全世界投資を中心に運用を行っている方にとっても、別資産として米国の不動産を組み合わせることができるわけです。
米国のように人口増加国では今後の上昇も見込まれるため、日本の不動産以上に保有しておく魅力はありますよね。
SPYD一本に全力投資をしている方は少ないと思いますので、他の保有資産との組み合わせで、SPYDを保有していると不動産や公共事業など、さらに分散投資が行えるメリットもあります。
低コストで運用が可能
コストは圧倒的な超低コストで、信託報酬は0.07%となっています。(2020年現在)
ライバルのVYMは0.06%ですので、若干負けていますが、ここまでくると大差ありませんね。
超巨大なステート・ストリート社が運用会社という安心感もあり、今後のさらなるコスト低下も期待できます。
どんなに配当利回りがよくてもコストが高いと長期投資ではトータルリターンは下がってしまうので注意が必要ですが、SPYDは長期保有に向いている超低コストなETFといえます。
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SPYDの構成銘柄とセクター比率
SPYDの保有上位10銘柄
SPYDの保有上位10銘柄は以下の通りですが、均等割合投資なのであまり順位は関係ないですね。
ステート・ストリートのファクト・シートより(2019年12月31日時点)
SPYDは年に2回組み換えが行われますので、配当金が少なくなったり、業績が落ち込んだ銘柄は構成銘柄から除外してくれます。(これがETFの楽でいいところですね)
SPYDの特徴はそれぞれの銘柄の比率を1.25%程度に調整しているところです。
SPYDのセクター別投資割合
セクター比率は以下の通りです。
ステート・ストリートのファクト・シートより(2019年12月31日時点)
SPYDの特徴のひとつですが、「不動産」が17%と割合が多いです。
続いて、「一般消費財」「エネルギー」「公共事業」となっています。
不動産の割合は、他の高配当ETF(VYMやHDV)とは違い、REITが構成銘柄に組み込まれているため高くなっています。
REITも公共事業も配当利回りが高いので、SPYDが特に高配当になっているわけですね。
配当金のもらえる時期
SPYDの配当金は、「3月、6月、9月、12月」の年4回受け取ることができます。
権利落ち日はほとんどの場合月末です。
ちなみに配当金は米ドルで証券口座に振り込まれます。
ライバルETFのVYMやHDVも配当金の受け取り時期は同じです。
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ライバル高配当ETFとの配当金比較【SPYD vs VYM vs HDV】
以下に「SPYD」と「VYM」と「HDV」の最近の配当利回りを示します。
SPYD | VYM | HDV | |
2019 | 5.13% | 3.64% | 3.80% |
2018 | 4.32% | 3.09% | 3.43% |
2017 | 4.08% | 3.17% | 3.59% |
利回り計算式は「配当金÷株価」ですので、分母である株価が、配当金の増配率より高く値上がりすれば、利回りは下がることになります。
ここ最近の米国経済は高成長したにも関わらず、4〜5%もの配当利回りを出したSPYDはやはり魅力的ですね。
ただ、SPYDは(HDVもですが)設定からの年月が浅く、大暴落市場を乗り越えていません。2020年2月末から起こっているコロナショックをどのように乗り越えていくかも注目が必要ですね。
どれも優秀なETFですが、インカムゲインを中心に考える場合は、この配当金利回りは参考になると思います。
まとめ
米国高配当ETFのなかでも配当利回りの高さで人気のSPYDについてまとめてみました。
SPYDは高配当なだけでなく、不動産や公共事業の比率も高いため、他の資産との分散投資が行いやすい優れた商品と思います。
設定から日が浅いですが、低コストで運用会社も安定しているため、保有すべきETFとして十分魅力的です。
高配当ETFを考える際に、少しでも参考になれば幸いです。