クリニカルクエスチョン(CQ)とリサーチクエスチョン(RQ)

クリニカルクエスチョンとリサーチクエスチョンって聞いたことありますか?

 

研究に関わっていれば聞くことは多いですが、臨床ばかりだとよくわからないですよね。

・・・昔、何か研究を始めようと相談したら、「リサーチクエスチョンは?」と聞かれて、意味不明で答えられなかったことを覚えています。

 

慣れている研究者ならば当たり前の概念なのですが、知らない方や研究初心者にはわかりにくいことだと思いますので、今回簡単にまとめてみました。

 

ちなみに、研究をしない方でも、クリニカルクエスチョンはガイドラインやシステマテッィクレビューなどの論文を読む時に必要な知識ですので参考にしてみてください。

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臨床研究について

医療の質の向上、エビデンスの構築は、臨床家が日々の臨床で”疑問”をもって診療を行い、その疑問を研究に変えてきた成果と言えます。

それだけ医学やそれ以外の学問の進歩には”疑問”が大事であり、疑問があるから人は探求していくわけですよね。

 

研究に興味がない、研究なんてできない、など、ほとんどの医療従事者は研究に関わっていないと思っていると思います。

しかし、自分が行っている医療行為、医療判断、さらには家族への説明なども含めて、全て先人たちの臨床研究の賜物なわけなんですよね。

 

研究を行わない方でも、研究についてある程度でいいので理解しておくことは日々の臨床や学習にも大きなメリットがあると思います。

クリニカルクエスチョン

上述したような臨床研究を行うには、常に日々の診療で”疑問”を感じることが重要になります。

このような、日々の臨床場面に起こる様々な疑問をクリニカルクエスチョン(clinical question:CQ)と表現します。

 

漠然と臨床的疑問が浮かんでも、研究に落とし込むことはできません。

そのために、疑問をより具体的に形式的に定義していくことが必要です。

疑問の定式化・構造化を行うために設定するのが、PICOPECOになります。

 

PICOやPECOについては以下のサイトを参考にしてください。

PICOとPECO??:臨床研究疑問の構造化

 

また、最近のガイドラインはMindsの指示に従ったクリニカルクエスチョン形式で作成されることが多くなっています。

以下はARDSガイドライン2016の一部です。

このように 、ガイドラインはクリニカルクエスチョン形式で作成されるようになっているようです。

ガイドラインの理解するためにも、クリニカルクエスチョンが何を意味しているかは認知しておく必要があります。

 

ガイドラインについては以下のサイトにまとめてありますので参考にしてください。

医療ガイドライン:リハビリテーション分野にも有効活用

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リサーチクエスチョン

クリニカルクエスチョンのうち、倫理面や経済面などの条件を満たしたうえで臨床研究の対象となるものをリサーチクエスチョン(research question:RQ)と表現します。

クリニカルクエスチョンでもPICOやPECOを設定して疑問を定式化しますが、リサーチクエスチョンではクリニカルクエスチョンに関する先行研究をレビューして、わかっていることとわからないことを把握した上で、臨床的意義があり研究の実現可能な条件を満たした疑問がリサーチクエスチョンになります。

 

クリニカルクエスチョンを調べていると、様々な新たな疑問がでてきて、それぞれリサーチクエスチョンがたてられます。

このように、クリニカルクエスチョンを解決するために、複数のリサーチクエスチョンを設定することもあります

具体的なリサーチクエスチョンを立て、それらを明らかにしていけば、最終的にクリニカルクエスチョンに対する結論が導き出されるという関係です。

まとめ

  • クリニカルクエスチョンは臨床的疑問を示します。
  • リサーチクエスチョンはクリニカルクエスチョンに対して倫理面や経済面などの情景んを満たしたうえで臨床研究の対象となるより具体的な研究的疑問になります。

 

研究の分野では一般的に使用される概念ですが、研究に関わっていないとわかりにくいと思いましたので、簡単にまとめてみました。

参考にしていただけたら幸いです。