qSOFAは看護に使える!?たった3つでわかる超重要な指標

〜スコア

 

など、医療現場では、様々なスコアが登場しますよね。

正直全然覚えていられないです・・・

必要な患者さんがきたら、電子カルテを開いて、そのテンプレート通りに打っていく。そうするとスコアがでる。

便利な世の中です・・・。

 

多くのスコアはそんな対応でもいいのかもしれませんが、「qSOFA」というスコアは覚えて理解すべきです!

たった3つの項目ですし、何より患者さんの急変時のアセスメントのポイントですし、どの診療科でも使えるスコアです。

しっかり理解すると、知らず知らずに看護の視点が上がっていると思いますよ。

 

そんな「qSOFA」について簡単にまとめてみました。

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そもそもqSOFAって何のスコア?

qSOFAスコアという言葉を初めて聞いた方もいると思います。

 

qSOFA=quick Sequential [Sepsis-related] Organ Failure Assessment の略語になっています。

 

・・・といっても、よくわからないですよね。

 

qSOFAは敗血症の疑いをどこでも簡単にスクリーニングするスコアです。

 

敗血症という病態は、急激に悪化して生命を脅かす危険な状態です。

ですので、敗血症の疑いがある患者さんはそれ相応の場所(ICUなど)で治療が必要です。

そのため、医師は即座に診断して「治療の場」を決定する必要があります。

 

簡単ですので、医師と同じ視点で看護師も重症度をすぐに判断できる優れたスコアなのです。

敗血症の新しい概念

qSOFAは敗血症をスクリーニングするスコアですが、

敗血症とはどのような状態なのでしょうか?

 

実は敗血症の定義は、学会で様々議論され、昔と違う病態とされています。

現在は2016年に定義された「Sepsis-3」を使用しています。

敗血症の定義では、「感染症に対する宿主の無調整な反応のために起こる致死的な臓器不全」とされています。

簡単にいうと「身体が感染症と戦おうとするんだけど、めったやたらにやり過ぎちゃって、自分自身の組織や臓器を傷つけてしまって、命にかかわるほど重症になってしまった状態」ということです。

感染症の名前ではなく、感染症になった後におちいってしまう病態です。

肺炎後に敗血症になる可能性もありますし、褥瘡感染から敗血症になることもあります。

 

ですので、敗血症は感染症を疑ったと同時に確認しないといけない病態なのです。

 

もちろん外来診療で必要な診断ですが、最初は尿路感染で一般病棟に入院してもその後悪化して敗血症になることもあるので、どこでも考えておかなければいけない病態です。

SOFAスコアとは?

敗血症についてなんとなくでも理解していただけたと思いますが、敗血症と確実に診断するには、

qSOFA」ではなく、「SOFA」スコアというものが必要です。

 

敗血症は多臓器に問題が起きているので、多臓器の状態を把握する必要があります。

SOFAスコアは、呼吸・循環系や中枢神経系、肝臓、腎臓および凝固系といった臓器障害を簡便に点数化してその合計点で重症度を判定することを目的に作成されたものです。

 

SOFA=Sequential [Sepsis-related] Organ Failure Assessment の略語になっています。(qSOFAのquickが抜けただけです)

 

以下にSOFAスコアを載せます。

このようにSOFAスコアは様々な検査が必要ですので、重症患者の管理を行うICUなどで使用されるスコアです。

 

敗血症の重症度を明確にするのはとても大事なのですが、外来での初診や一般病棟、在宅ではとてもとれるスコアではありません。

そのため、qSOFAで敗血症の疑いをつけて、とりあえず心配だからICUで管理して、その後にICUでSOFAスコアをとって厳密に管理しましょうとなっています。

 

ICU以外ではまず、qSOFAだけでも覚えていればいいというのは、こういう理由からです。(SOFAスコアは私もスコア表を見ないと覚えられていません・・・)

qSOFAのたった3つの項目

qSOFAの見るべき項目は以下の3つです。

 

簡単ですよね!

おそらくベテラン看護師さんは無意識にこの項目が悪くなってきたら、病態が悪化したと判断しているかもしれません。

しかし、なかなかポイントがわからない方は、とりあえずこの3つを意識していたら、重篤な病態に気付きやすいので、是非覚えてみてください。

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どの場面で使われる指標?

qSOFAが報告された論文では、

とされていますが、在宅での訪問看護などでも十分測定可能ですので、どこでも使える指標だと思います。

 

また、qSOFAを理解していると、医師への病態悪化報告が明確になります。

 

「なんか具合悪そうで、呼吸が早くなっています」ではなく、

「尿路感染症後の患者さんが、呼吸数25回程度で、収縮期血圧も80台になり、状態悪化してきました」

 

のほうが、医師からも信頼されますし、できるナースって感じですよね。

まとめ

  • qSOFAは敗血症のスクリーニングに使われる簡単な指標です。
  • どこでも、誰でも測定できる3つの指標になっています。
  • 患者さんの状態悪化を見極める視点としても有用な項目です。
  • 日々の診療でこの3つはしっかり意識してみましょう。

 

看護師はスコアが多すぎていやになりますが、qSOFAはこのように簡単ですし、わかりやすいのに重要な指標ですので、是非活用してみてください。