マズローの欲求5段階説と看護・・・看護師にも当てはめてみた

「マズローの欲求5段階説」をご存知でしょうか?

なんか、学生の頃聞いたことあるという方もいるかもしれません。

私も含めて、人は欲求があって当たり前の生き物です。

その欲求を5段階の階層で理論化したものです。

まったく医学とは関係ない本を読んでいたのですが、少し看護の臨床の現場でも思い当たると思いまして書いて見ました。

そして、なんとなくですが、看護師の人間性(看護師に限りませんが)をみるときにも参考になる気がしました。

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マズローの欲求5段階説とは

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものです。(『ウィキペディア(Wikipedia)』より)

図をみないとわかりにくいので、図を貼ってみました。

このように5段階に階級化しています。

このピラミッドに書かれている欲求を、下から順に解説して、患者さん、看護師に当てはめてみます。

マズローの欲求5段階説で看護、看護師を考える

それぞれの欲求を調べてみると、患者さんや働いている看護師の心理がみえる気かしたので、まとめてみました。

一般的な欲求の説明の下に、看護、看護師を当てはめてみました。(論文的根拠でなく、私の考えになります)

生理的欲求

生命を維持するための、食事・睡眠・排泄といった根源的な欲求

これは弱っている患者さん、認知症の患者さんに当てはまらないでしょうか?

不穏になってしまう原因の1つには、この生理的欲求が満たされないことがきっかけになっていることも多いと思います。

安全の欲求

安全に生きていくために、よい健康状態や、経済的安定を欲する要求です。

生命の危機を回避するために、自分の身の安全につながるものを強く求めます

これは一般的な入院患者さんに当てはまる気がします。

入院している患者さんはなにかしらの健康に関する不安があるはずです。

自分の身の安全につながるものを強く求めるので、看護師に寄り添ってもらいたかったり、医師に万能性・完璧を求めてくるようなきがします。

大げさかもしれませんが、入職したばかりの新人看護師さんも、これに当てはまらないでしょうか?

本能的に自分の健康を保つために、身の安全に繋がるものを求めて、職場でも恐る恐る働き始めているように思えます。

もちろん、医療の残酷さや過酷さ、先輩看護師の怖さ(笑)、から身を守らないといけないですからね。

所属と愛の欲求

自分が「社会や特定のコミュニティの一因である」と感じたいという欲求です。

安全を手に入れた人は、次に、社会のコミュニティにおける自分の立ち位置を気にするようになります。

他人と違うことをして嫌われないだろうか?他人とうまくやっていけるだろうか?そういったことを強く思っているため、他人の意見に従ったり、流行にすぐに飛びつくといった行動が生まれます。

これは職場に慣れてきた若手看護師に当てはまるようなきがします。

まずは看護師としてスタッフの一因になりたくて、自分の立ち位置を気にしているのだと思います。

そのため、自分の意見が言えずに、先輩の意見に従ったり、みんなの前で発言がしにくいのかもしれません。

承認欲求(自己顕示欲)

社会のコミュニティにうまく属せると、次に、「自分の存在を知ってもらいたい」「このコミュニティの中で、価値のある存在として認められたい」という欲求が生まれます。

この欲求は、他者から尊敬されたり、注目を得ることによって、満たされます。

たとえば、自分が発信した情報をきっかけとして多くの人に絡んでもらいたい、そういう心理も生まれます。

これは、多くの看護師でしょうか?若手から中堅になってくると、看護師の欲求も変わってきます。

この段階では、一般的看護業務以外にも、個人的な業務をあたえると良いのかもしれません。

例えば、褥瘡チームの一因になる、感染症予防のリーダーになる、など。

そのように、コミュニティの中で自分が価値のある看護師だと思ってもらうことが、欲求を満たせてあげて、働きがいを得られるのかもしれません。

自己実現の欲求

以上4つの欲求がすべて満たされたとしても、人間は満足ができません

というのも、最終的には「自分が本当に表現したいもの」を求めて、あるべき自分の姿を手に入れようとするからです。

そして、いくらスタッフに配慮しても、どんなに気を使っても満足してくれるものではないですよね。

「あの子にはあんなに配慮してあげたのに」「どうすれば満足してくれるのだろう」

などの問題が解決できない原因は、この欲求からくるところもあるかもしれません。

だから諦めるのではなく、自己実現の欲求があることは人間の本性であり、生理的なものと理解すると、周りの人々と付き合うときに広い視野でみることができるのではないでしょうか?

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人と接するときのツールとして考える

看護やリハビリなど、医療を提供するときは間違いなく患者さんという相手が存在します。

同時に、患者さんだけでなく、同僚や先輩、多職種とコミュニケーションが必要になります。

そこが、本能的に好きで、上手に行えている人も多いので、そこまで考えていないかもしれません。

しかし、コミュニケーションなどに悩んだときは、先人の知恵を参考に、「マズローの欲求5段階説」を意識してみるのも人と触れ合う職種には必要かもしれません。

まとめ

マズローの欲求5段階説という心理分析があります。

全般的にいえることですが、医療の現場、患者さん、看護師の同僚にも当てはめてみると、違った視点がみえてくるかもしれません。

自分を成長させる、他者とのコミュニケーションを気楽にできるツールにもなるのかもしれません。

私なりに楽しい発見であったため記事にさせてもらいました。